大切な死と裏切りと何か その1

 

最近の大きな出来事として、僕の大切な友人の死があった。

突然の死だった。

訃報の10日前に彼の家で飲み会をしたばかりだった。

 

夜もまだ浅い時間に、2年くらい会っていなかった同級生からLINEで連絡を受け、しばらく呆然としていた。

会社での残業中、ものすごい顔をしていたに違いない。

正直まったく意味がわからなかったし、脳がLINEの文面の理解を拒否していた。

 

 

 

彼は、とてもまっすぐな奴だった。

決めたことは曲げないし、普通の人だったら躊躇しそうなところにも迷わず飛び込んでいく。おれから見たらそんな奴だった。

 

古い記憶で一番印象に残っているのは、中学校一年生時の夏休みの課題の職場訪問だ。

その時出された課題としては確か、身近な大人の職場に訪問して、仕事内容を聞いてきてくるというものだった。

そのときのおれは、母親のパート先のサンドイッチ屋にでも訪問しようかと考えていた。

そんなときに彼が誘ってきた。工場に行こうと。

当時僕らが住んでいた場所の近くには、日本人ならだれでも知っているであろう超大企業の事業所があった。

工場があったのは知っていたが、訪問するなんてそもそも思いもつかなかった。工場と職場訪問が結びつきもしなかった。

 

 

二つ返事で、行くと返答するとそこから彼の行動は早かった。

事業所に電話をかけ、クラスの担任に紹介状を一筆入れてもらい、あっという間に訪問の予約を取り付けた。

事業所の方からしてみたら、よくある会社訪問だろうが、ぼくらからしてみたら、彼のとった行動はすごい。そういえば電話をかけるときに、彼の家に集合したっけ。ドキドキしながら彼の電話を見ていたのを覚えている。

 

電話が終わった後は、三ツ矢サイダーで乾杯したあと、太鼓の達人をやったな。

7月末の暑い昼下がりだった。

 

 

 

 

こんな感じで、彼への弔いとして、エピソードをつづっていけたらと思っています。

 

では。